10年に一度と言われる最強寒波の影響で、水道管の凍結が各地で相次いでいます。
凍結によって水道管が破裂することもあるため、水道が凍結したときに行うべき対処法や、水道を凍結させないための予防策を覚えておくと良いです。
本日は水道が凍りやすい条件や場所、水道が凍ってしまったときの対処方法、さらに凍結の予防対策を詳しく解説します。
蛇口をひねっても水が出てこない場合は、水道が凍結しているのかもしれません。
水道の凍結しやすい条件や場所を解説いたします。
《凍結しやすい条件》
• 気温がマイナス4度以下になったとき
• 長時間、水道を使わないとき
• 昼夜問わず、気温が氷点下の日が続いたとき
《凍結しやすい場所》
水道がある場所によっても、凍結するかどうかは変わります。凍結しやすい水道は以下の通りです。
• フレキ管(フレキシブル管)や止水栓がむき出しになっている水道
• 外にある水道
• 北向きにあるなど、日が当たらない場所に位置する水道
• 風の通り道にある水道
《50度程度のお湯とタオルを使う》
水道が凍結したら、水道管自体にお湯をかけて温める方法があります。
ただし、早く溶かしたいからといって熱湯をかけてはいけません。
急激な温度差によって水道管や蛇口の破損してしまう可能性があります。
また、塩化ビニールでできた排水管の耐熱温度は70~80度なので、熱湯をかけると排水管が損傷する恐れもあります。
お湯をかけるときは、次の手順で50度程度のお湯を使うことを覚えておきましょう。
手順
1. 水道管の凍結している場所にタオルを巻く。
2. 50度程度のお湯をゆっくりかける。
3. 途中で水道の蛇口をひねり、水が出るかを確認しながら続ける。
タオルの使用には、急激な温度変化をやわらげるとともに、余熱を利用して氷を溶けやすくするメリットがあります。
《防寒水栓柱には直接お湯をかける》
防寒水栓柱とは、水道管を囲う筒状の柱です。水道管がむき出しにならないため、凍結予防に効果があります。
防寒水栓柱の水道が凍った場合は、防寒水栓柱にあるビニール製の外フタと発泡スチロール製の中フタをはずし、水道管に直接50度程度のお湯をかけてください。このときも、熱湯をかけないよう注意しましょう。
防寒水栓柱には、水道管の中に水がたまらないよう水抜きできる不凍水栓柱もあります。凍りやすい水道管の水をあらかじめ抜いておくことで、水道管を傷めず安全に凍結予防ができる水栓柱です。
《ドライヤーやカイロを使う》
水道管の凍結によってお湯の用意ができないときは、凍結部分にドライヤーの温風を当てる方法がおすすめです。時間はかかりますが、ドライヤーの熱で氷を溶かせます。
また、カイロを当てて凍結部分を温める方法も有効です。ドライヤーは温風をあて続けなくてはなりませんが、カイロを当てる方法であればその場を離れられるメリットがあります。
水道が凍結すると、その圧力に耐えられず水道管が破裂する恐れがあります。また、凍結した場所に熱湯をかけてしまった結果、水道管が破裂するケースもございます。
破裂後の対処法を間違えると床下から大量の水が溢れ出す可能性もあるため、適切な処置が必要です。
そこで、凍結による水道管破裂の被害を最小限にする対処法をご紹介します。
《元栓を閉める》
水道が破裂し何らかの処置をする前には、必ず水道の元栓(止水栓)を閉めます。元栓を閉めないで作業すると、水漏れの原因になるからです。
元栓は戸外に埋め込まれているメーターボックス内にあります。フタ部分に「量水器」や「止水栓メーター」などと書いているのがメーターボックスの目印です。
メーターボックスを開けると水道メーターとバルブがあり、バルブを時計回りに回すと水が止まります。
ただし、バルブが回しにくい場合は無理に開けようとせず水道業者に依頼しましょう。
《破裂した部分に応急処置をする》
元栓を閉めたら、次の手順で破裂した水道の応急処置をします。処置をする際は怪我や汚れを防止するため、ゴム手袋の着用がおすすめです。
手順
1. 破裂して水が漏れ出している部分にタオルを巻く。
2. タオルからしみ出てくる水をバケツで受ける。
3. タオルが水を吸いきったら、タオルを替えてさらに水を吸い取る。
水道が破裂した場合、水道に関する知識のない人が分解や修理をするのは、状況を悪化させる恐れがあり危険です。
応急処置が終わったら、自治体の水道局や地域の指定給水装置工事事業者に連絡し、プロの技術者による修理を依頼しましょう。
《保温材を使う》
水道の凍結を予防するには、まず水道管の保温をします。なるべく費用を抑えたい人におすすめなのは、使い古したタオルを使った保温方法です。
タオルを水道管に巻き付けて、ビニールテープ等で留めます。雨や雪が降ってもしっかり保温できるよう、上からビニール袋を被せたり、水に強いテープを使ったりなどの工夫も必要です。
一方、費用はかかりますが市販の保温材や保温チューブも販売されています。保温チューブとは筒状で片側に切り込みが入ったウレタン素材のものです。
切り込みが入っているので水道管にはめ込んで固定でき、簡単に取り付けられます。水道管がむき出しになるのを防ぎ、雨や雪に強いのもメリットのひとつです。
《水抜きをする》
寒冷地では多くの人が水道管の中の水を抜いて、凍結を予防しています。この水抜きを行うための装置が「水抜栓」です。水抜栓にはハンドル式と電動式があり、設置場所も家によって異なるので、日頃から設置場所や使い方を把握しておくとよいでしょう。
ハンドル式の場合は、水抜栓を時計回りに回します。最後まで右に回しきると、蛇口をひねっても水が出なくなる仕組みです。屋内だけでなく、屋外も水抜きを行います。
電動式には、水道管内が一定の温度以下になると自動で水抜きを行う自動式と、水抜きボタンを押す手動式があります。
操作するリモコンは台所や洗面所、玄関などに設置されていることが多いです。凍結を予防するため、冬の間は電源を切らないようにしましょう。
《水をちょろちょろ出す》
水道の凍結を防ぐために、水道の水を出しっぱなしにする方法もあります。だからといって、大量の水を流し続ける必要はありません。
蛇口をひねって水を鉛筆の芯くらいの細さにし、ちょろちょろと出し続けることで水が凍りにくくなります。
水道を使わない深夜は特に凍結しやすいため、寝る前に水を出しておくとよいでしょう。
ただしこの方法は水道代がかかり、そのまま水を流すと水がもったいないというデメリットもあるため、出した水はバケツに受けて掃除や洗濯に使うことをおすすめします。
大寒波のときは水を流す方法には要注意!
水を細く流しておく方法は、大寒波のときには通用しない場合があります。
実際にこの方法で対策したにも関わらず、水道が凍ってしまったという事例もあるからです。
水を流す方法は、「凍ってしまうかも?」と感じる程度の気温のときに使えるものと思っておいたほうがいいでしょう。
大寒波のときは、水を出していても凍ってしまうリスクがあるので、保温材の使用や水抜きなど他の対策で予防することが重要です。
《一晩追い炊きにしておく》
寒さが厳しくなると、戸外の給湯器やボイラー付近の水道管が凍結するケースもあります。
凍結を防ぐには、約35度に設定温度を下げた状態で一晩中追い炊きをする方法もおすすめです。
追い炊き自動モードがある給湯器なら、電源を入れたままにしておけば温度が下がったタイミングで追い炊きをしてくれます。
給湯器内の温度が下がらないので、凍結防止に効果的です。
さらに、給湯器には電源を入れておけば「凍結防止ヒーター」が作動するタイプもあります。
詳しくは、給湯器の取り扱い説明書を確認したり、給湯器を扱う水道業者に相談してみるとよいでしょう。