今週の16日に北日本から西日本にかけて広い範囲で黄砂の飛来が予測されております。
なぜ毎年春になると黄砂のニュースが話題にあがるのでしょうか。
また、黄砂って一体何なのでしょうか。
最近では黄砂により花粉が爆発するなんて話もあります。
本日はそんな黄砂についてお伝えいたします。
黄砂とは、中国やモンゴルのサバクの砂が風によって数千メートルの高度にまで巻き上げられ、日本まで飛来する現象です。
風によって大気中に舞い上げられた黄砂は、大気中に浮遊し、有害性のある化学物質を含むことにより、呼吸器系の病気やアレルギーなど身体的影響を引き起こしたり、農作物に害を与えたりします。
また、黄砂粒子を核とした雲の発生・降水過程を通して地球全体の気候にも影響を及ぼしています
なぜ春になると黄砂がやって来るのかというと、冬の間シベリア高気圧の影響で風が弱く、降雪にもおおわれていた同地域が、春になって高気圧の勢力が弱まり、低気圧が発達しながら強風を伴い相次いで通過するためだと言われています。夏以降は植物が多く、雨も降るようになるため、黄砂は少なくなります。
近年、黄砂の発生数が増加傾向にあります。
その発生増加の理由は、過放牧や過開墾などによる砂漠・乾燥地帯の拡大が原因との一説があります。
そのため、黄砂は、自然現象というだけではなく、森林減少や土地の劣化、砂漠化といった環境問題とも関連性の高い現象であると認識され始めています。
「花粉爆発」とは言葉の通り、黄砂などの大気汚染物質に触れた花粉に、風や湿度、気温など環境要因が重なることで“爆発”する現象です。
花粉爆発が起きると、花粉が細かく砕け、その中に含まれているアレルゲン物質が微粒子化します。
微粒子化した花粉が鼻や喉を通り抜けると、気管支や肺に到達し喘息の原因にもなるとされています。
さらに問題なのは、この微粒子化した花粉のアレルゲン物質が、PM2.5中の有害化学物質と一緒に空気中に浮遊することで、1μm以下のPM1.0として放出され有害化学物質やアレルゲン物質が拡散してしまうことです。
つまり、黄砂やPM2.5などの大気汚染物質に触れた花粉は、健康に悪影響を及ぼす微粒子化した有害物質を含んでいる可能性が高いため、適切な対策が必要になります。